12月3日 11月議会 一般質問、答弁内容
1.教員による部活の送迎について
質問
今年10月、県教育委員会は、部活動において内規に反して教員自らが生徒を乗せて練習試合等の会場へ送迎したとして、違反例275件のうち83名の教員に対し文書訓告や口頭厳重注意等の処分をした。公務と認められている高体連、高文連などの公式大会においては校長の許可があれば教員が運転する車での移動を認めているが、出張外である競技団体主催の大会や練習試合では認められない。県外で死亡事故も起きており、生徒や教員の安全を守るため、教員・保護者による車での送迎禁止は理解できる。しかし、公共交通機関が不便な中、生徒のため、部活動のために違反せざるを得ない教員もいた。内規を放置してきた教育委員会の責任も重いと考えるが、教育長はどう考えておられるのか。また、今回の内規見直しでもなお残る課題は何か。
<教育長答弁>
部活動を支え下さる教員、保護者、指導者等のみなさんに敬意と感謝申し上げる。生徒、教員の安全を守るために徹底した注意喚起として処分を行った。教育委員会として内規を放置してきたことに大変反省している。 見直しでは、教員の車での送迎を認めるが講習を受ける等安全に考慮したい。また、教員の送迎を勧めるわけではなく、まずは公共交通、貸切バス等を使用し、時間的・費用的に難しい場合の手段とする。見直し後もフォローをしていきたい。
尾崎 追及1
今議会提案の「貸切バス利用促進緊急応援事業」に部活動も対象にしたが予算は十分か。
<知事答弁>
「貸切バス利用促進緊急応援事業」は新型コロナで計上した予算であり、今後は当初予算で整理、検討をしたい。
2.「性にかかわりなく誰もが共同参画できる社会づくり計画」(第5次鳥取県男女共同参画計画)について
質問
9月議会で「男女共同参画計画」について議論したが、計画名は「鳥取県第5次男女共同参画計画」であった。パブコメもこの表題でとられている。しかし、今議会提出の計画名は“LGBTのひとたちへ配慮すべき”との声から「性にかかわりなく誰もが共同参画できる社会づくり計画」に変更された。性の多様性に関しようやく認識が広まりつつあり、とても重要な視点で必要なことと考える。しかし、“男女共同”という言葉が計画名から消えることでどんな影響があると考えるか。また、名称変更に関する経緯、考えは?
<知事答弁>
人権尊重の観点から段階的に、時流の流れもあり性的マイノリティへの考えも変わり理解されてきた。執行部で案を作成し、パブコメを募集し、審議会で議論の中で答申の付帯意見をいただいた。「男性女性どちらでもない性の排除をされないように」という審議会の想いに応え、“男女共同参画”という言葉で排除されていると感じている苦しみと悲しみに思いを致すべきだと考え名称を変更した。
尾崎 追及1 ①計画名変更のプロセス不十分、②計画名変更だけでは性的マイノリティの問題は解決しない
変更した名称を含めた計画案でパブコメをとり、女性団体等への聞き取りをした上で変更をするプロセスが必要であったと考える。また、今回の計画で性的マイノリティの取組は、啓発とアウティング(性の暴露)防止と居場所づくりだけである。実際には、生殖器に関わる医療、精神医療、賃貸契約、養子縁組など様々な根深い問題がある。計画名を変えるだけでこの計画が性的マイノリティの方に配慮しているとするのはかえって失礼ではないか。
<知事答弁>
県ではガイドラインの作成を行い配慮はしてきている。男女共同参画社会の大義を果たす中で見えてきた課題に正面から向き合い共同参画社会を実現したい。
尾崎 追及2 “ジェンダー平等計画”がよいのでは
15年前NY視察で国連を訪れた際、国連の高瀬公使(母親が八頭郡出身)が「これからはジェンダーという言葉なしには活動はできない」と仰っていた。計画もジェンダー平等計画とするのがよいと思う。また、教育の中で“ジェンダー”という言葉を広め、教えていくのはどうか。
<教育長答弁>
教科書にはないが、SDGs(目標5)やトランスジェンダーを学ぶ際にふれる場合もある。共同参画型社会へ取り組みを広げたい。
3 大型施設建設と住民意思の反映について(大型風力発電施設など)
質問
自然エネルギーの推進については大いに賛同しますが、風力発電や大型施設建設には住民の意思が反映されなくてはいけないと考える。環境影響評価法(平成9年制定)では“持続可能な発展を目指し人間行為を管理するための手段と考え、事業者は環境への配慮を十分にし、社会に対して説明する責任がある”とし、より住民意思が反映できるようになった。内容を県は平成25年環境影響評価条例に入れ込んだ。しかし、今回の西郷や明治地区の場合、知事は「早い段階で十分に積極的にわかりやすく住民に説明をするように」と再三求めていたにも関わらず、実際には多くの住民は計画が持ち上がってから3年後の今年の8月に知らされた。今後はもっと実効性が確保できる条例改正もしくはガイドラインが必要ではないか。
<知事答弁>
現ガイドラインは全国一住民に寄り添う厳格な立場をとったものである。しかし、法的根拠がなく最終的な判断は国が行う。また、西郷や明治地区の景観形成団体の権限は鳥取市に移行している。厳正な環境評価を行い、今後も事業者に地域の意見を聞くように再三、強く求めていく。