令和3年度 第25回鳥取市男女共同参画登録団体連絡会と市長との懇談会

2月1日、令和3年度 第25回鳥取市男女共同参画登録団体連絡会と市長との懇談会が開催されました。市長への質問内容と回答、意見交換の概要を掲載致します。

佐々木 ちゑ子会長

【令和3年度 市長との懇談会、質問・回答・意見交換など】

1. 男女共同参画センターの活用について
昨年鳥取市男女共同参画センター”輝なんせ鳥取”が大丸に移転して以降、利用者数は少しずつ増えています。その後2年近く経ちますが、”輝なんせ鳥取”の利用や活動について市長の感想をお聞かせください。
また、鳥取市の”女と男とのハーモニーフェスタ”について、昨年度は新型コロナウイルス感染症のため延期し、今年度は初めて鳥取大丸を会場として開催され、講演会も盛況でフェスタは大成功でした。一方で、一般市民の方々にももっとセンターを知ってもらう必要があるとも感じたところです。そのために、大丸の内からも外からもセンターが認識できる様に、宣伝・広報にもっと力を入れ、予算化していただきたい。
2.”性”に関する課題について
①コロナ禍で”生理の貧困”の問題が浮き彫りになり、鳥取市においても生理用品配布などの取り組みがなされ良かったと思います。その上で、整理を含めたもっと深い”性”に関する学校教育や社会の学びが必須であると思います。
今は保育、幼児教育、学校現場での保育者や教師による性暴力が多く発生し、また、生理に関する職場の理解不足などで女性たちが働きにくい、といった状況もあります。まずは”体の構造の違いを学ぶ”というだけでなく、男女ともに小さなころから性暴力の被害者にも加害者にもならないために、性に関する深い学びが大切です。この視点で学校教育や社会教育に取り組んで頂きたいと思いますがいかがでしょうか。
②人口のおよそ7%がLGBTQなど性的マイノリティーであるともいわれています。教育現場においても差別をなくすために、教師、児童生徒による理解を促進する教育をして頂きたいと思います。例えば、現実の学校生活に於いてトイレ、着替え室、制服など生徒自らも参画して解決策を考える機会を持つことでより深い理解に繋げるなどの取り組みをしてはいかがでしょうか。
3.防災について
①防災無線がきこえない人、きこえにくい人には、現在、防災無線をホームページに文字として掲載するなどしておられますが、更に必要な情報を必要な人に、正確に発信することについて、どのように考えておられますか。
②避難所運営はもとより、災害時においては女性の力は大変重要です。自主防災組織は各地域にありますが、災害があった時、もっと女性が避難所運営に関わりやすい仕組みはできないでしょうか。また、防災リーダー養成講座の受講は女性にとってはハードルが高い現状にあります。災害時には女性の活躍は必須です。女性が防災においてカを発揮するには、どのようにしたらいいとお考えですか。
③島根原発における原子カ事故の際、鳥取市も避難者を受け入れますが、これについてきちんと認識をもっている市はまだまだ少ないようです。また、避難者受け入れについてだけでなく原発事故避難者に対する人権侵害がおこらないようにする啓発も必要と考えますが、市長のお考えをお聞かせください。

回答する市長

≪ 市長回答 ≫

1.①“輝なんせ鳥取”利活用の感想

市庁舎に近く、駅前で利便もよく、オープンがコロナ禍と重なったが多くの方に活用してもらい移転してよかった。

②“輝なんせ鳥取”広報・宣伝

エレベーター、エスカレーターで5階に下りたところに分かりやすい表示や懸垂幕の検討を大丸と協議する。

2.①生理の貧困と性の学びについて

公共施設のトイレに生理用品設置や学校にも設置が必要ではないかと市議会でも議論があった。市として、率先して取り組んでいく。学校現場で正しい性の学びに取り組んでいるが、今度も学校指導要領にそって取り組んでいく。

②LGBTQについて

性的マイノリティの方が生きづらさを感じないよう、教育現場で理解促進する。学校現場では“相手を認める”ことにさらに取り組んでいく。

3.①防災無線について

防災ラジオ、Web、L字放送、安心トリピーメールを活用する。新市庁舎には、コミュニティFM・ケーブルテレビのスタジオがあり、市長がすぐに情報発信できる。多様な伝達方法を持つことが重要。

②防災リーダーについて

避難所運営には女性の視点が重要。女性に参加してもらいやすいものを考えたい。

③原発避難者受け入れについて

境港市の2万8千人を鳥取市が受け入れる。その際、人権侵害がないよう受入れたい。平成30年から市報で周知しているが、原発再稼働の問題で注目が集まっているので改めて市民に役割を認知してもらうようにしたい。   

≪ 質問・意見交換等 ≫

◆TORI-WOMAN 来田さん

・南中の建設時、トイレのタイルの色を校長が「男は青、女はピンク」と決めた。一個人が決めず、色んな意見を聞いて決定をしていくことが必要ではないか。

市長回答 どのように決定したのかは知らなかった。公共物は色々な方の意見を取り入れる必要がある。

◆部落解放同盟鳥取市協議会女性部 坂根さん

・県との意見交換で高校の制服やトイレを男女で分けないようにと要望した。県は制服については校長会・PTAで話合いの上、学校単位で決めるようにと言っている。鳥取市も促進してほしい。トイレについては予算等もあり難しいと思うが、子どもたちの学校生活の上でとても大切なことなので少しずつ進めてほしい。

市長回答 制服については全国的に見直しされており、一気にはいかないが、性差に関係なく性自認で制服を選べるようになるようにする必要がある。トイレについては予算もあるが改修に合わせ男女共用のものを増やすなどどのような形がよいか検討していく。

・防災について、要支援、障がいのある方に、情報が行き渡っていないのではないか。防災リーダー養成講座を受けたが、コロナ禍で一部日程変更になり、受けられなかった人は来年度再度受けることになった。録画を見てレポート提出等で受講にはできないか。また、防災リーダーは何をするのかが分かればもっと受講者が増えるのではないか。

市長回答 情報発信は今後も色々とやっていく。コロナ禍でウェブ会議も多くなり、かなりオンライン対応ができるようになった。防災研修も提案のように研究していきたい。防災リーダーとは何をするのか、色んな情報手段で伝えていく。

危機管理課長 実技もあるので合わせて検討したい。

・コロナ禍でDVや雇用等の問題が浮き彫りになっている。相談支援は十分か。

市長回答 市独自で行っているものや、県・国の支援制度もある。気軽に相談できる体制が必要。

人権政策局長 パーソナルサポートセンターにたくさんの相談がきている。人員強化、連携強化をしていきたい。

◆男女共同参画推進会議とっとり 岸本さん

・集落では“防火訓練”としているところもあるような状態。各集落で大災害時のシミュレーション(避難、避難所運営など)を強制力をもってやってほしい。

市長回答 鳥取市では9月10日に避難所の設営や運営などの模擬訓練を行っている。地域も一緒になってやれたらいい。危機管理課に相談してもらえば支援できる。しかし、強制は難しい。

◆男女共同参画推進会議とっとり 山根さん

・防災訓練は、市の統一的にしないといけないこと、部落毎にすべきことと色々あると思う。避難所運営には女性の力が必要。女性の防災リーダーが増えるようお願いしたい。

市長回答 浸水が多い地域ごとに特性が異なるので、市の一斉の訓練以外にも合わせた防災訓練をする必要がある。女性が参加しやすい研修を検討し、女性の防災リーダーを増やしていきたい。

◆グリーンコープ生協とっとり東部地区委員会 荻野さん

・原発事故が起こった際、正しい知識が必要で、原発ハンドブックがある。大人はもちろんだが、子どもたちは影響が大きいと考える。原発ハンドブックは子ども版もある。教育現場で活用をしてほしい。

市長回答  原発ハンドブックの活用を教育委員会にお願いしていく。